INTERVIEW

「シェフの人柄に惚れました」面接できっ ぱり言い切れるほどの憧れが原動力です。

Nabeno-Ism ナベノ-イズム
今川愛未さん

profile.

長野県・松本第一高等学校 食物科 出身。2016年3月にエコール 辻 東京〈辻フランス・イタリア料理マスターカレッジ〉を卒業後、同年7月より、東京・駒形の隅田川沿いに開業した『Nabeno-Ism』にサービススタッフとして勤務。現在に至る。

人間性が素晴らしくなければ 三つ星の総料理長は務まらない。

「高校1年のとき、レストランでマナーを学ぶ授業があったんです。そのとき初めて食べたフランス料理に感動して…。味はもちろん、色合いの美しさに心を奪われました」
当初はパティシエに憧れて進学した高校の食物科。卒業と同時に就職するつもりだったが、その日を境に夢が変わった。働くなら三つ星レストランをめざしたい。そこから日本にどんなシェフがいるのか調べるようになり、当時、『ジョエル・ロブション』にいた渡辺雄一郎シェフを知った。その後、同店で行われた辻調グループの体験授業が運命を決める。
「短縮のコース料理をいただき、渡辺シェフらから色んなお話を聞いたのですが、シェフの生き方や人柄に心底、惚れ込みました。自分を辻調理師専門学校に入らせてくれたご両親への感謝をずっと忘れず、努力を怠らない。人としてあるべき姿を教わった気がします。人間性が素晴らしくなければ、長年、三つ星レストランの総料理長は務まらない。そう心から感じ、この人のもとで働きたいと強く思いました」

お客様が望むことを察して動き ご満足いただけるとうれしくなる。

「フランス校へ留学も考えましたが、すぐにでも渡辺シェフと働きたかったので、就職面接ではありったけの思いを伝えました。それを印象深く覚えていてくださり、翌年開業するという『ナベノ-イズム』に声をかけてくださったんです。料理をするには、お客様の生の反応を知ることも重要。まずはサービスから入ってキッチンを学ぶのもいいのではと伺い、サービススタッフとして働き始めました」
サービス業務は常にアンテナを張り巡らせておく必要があり、かなりの神経を使う。同じことを伝えようとしても、捉え方は人それぞれ。ちょっとした言い回しで機嫌を損なう恐れもあるため、一人ひとりに合わせた接し方を即座に見抜く目が必要となる。
「2人の先輩がまさにサービスのスペシャリスト。お客様の望まれる対応を瞬時に察する力が素晴らしく、そばで仕事をするだけで学べることばかりです。それでいて物静かなタイプと社交的なタイプ、気質が正反対で、接客スタイルが対照的。指摘してもらえる点もそれぞれで勉強になる。自分自身、お客様が望んでいらっしゃることを察して動き、ご満足いただけるとうれしくなります」

常に意識を行き届かせる姿勢が サービスをするうえでの基盤。

「常に100%の力を出し、さらに努力すれば、より良いものがつくれる。エコール辻では、知識や技術は当然ながら、携わるうえでの心構えも学びました。料理は究極がありません。自分が努力した分、成長できている実感があったので、深くのめり込んでいきました」
学生時代は、作り方以上に先生たちの動き方を注意深く見ていた。ちょっとした違いで、何秒かでも早く動けるようになる。人の動きを見ればスムーズな連携もできる。一方、包丁の置き方が少し斜めになっているだけでもすぐに怒られた。細かいけれど、ありがたい。常に意識を行き届かせる姿勢は、サービスするうえでの基盤にもなっていると振り返る。
「学校で『少しでも気を抜くと、落ちるところまで落ちるから、常に気を張っていなさい』と怒られたことがあり、いまも心に刻んでいます。高校時代に受けた渡辺シェフの講習で、『怒られることはありがたいと思え』って教わっていたんですよね。辻の先生方は、良いところはとても褒めてくれ、悪いところは気づけるよう叱ってくれる。いつでも私たちのためにという思いが伝わっていたので、つらいと感じることは全くありませんでした」

「あなたにサービスしてもらって 良かった」というお言葉が励みに。

「『ナベノ-イズム』のオープン当初、『あなたにサービスしてもらって良かった』というお言葉をいただけたんですよ。まだ仕事を始めたばかりで緊張も大きかったので感激しました。毎月替わるメニューについて、作り方など具体的なことまでシェフから習うのですが、それをお客様にお伝えして喜んでいただけると、こちらの喜びもひとしお。お料理はもちろん、シェフやお店のことを褒めていただけるのも幸せに感じます」
渡辺シェフをはじめ、スタッフのほとんどが辻調グループの卒業生。今川さんと同じく、シェフの腕はもちろん、人柄にも心酔して集まる人が多いという。
「とても和やかな雰囲気で、来店されたらホッとしていただけると思います。渡辺シェフは高い地位にありながらも、全く威張らず謙虚さが変わらない人。私もお客様にとって親しみやすい存在でありたいです。フランス料理は身構えてしまう方も多いと思いますが、その緊張を解きほぐせたらなと。今後はソムリエの資格も取って、さらにサービスの技能を高めていきたい。そこからキッチンの経験も積んで、フランスでも働いて学び、渡辺シェフのような料理人になりたいです」

今川愛未さんの卒業校

エコール 辻 東京 辻フランス・イタリア料理マスターカレッジ launch