INTERVIEW
No.168

人気のビストロ料理店が展開する立ち飲みワインバー。お客様とのより近い距離感で実感できる飲食業の楽しさが、ここには詰まっている。

Pas loin(パ・ロワン) 店長 /料理担当

高山 南美さん/内田 開さん

profile.
店長 高山 南美さん(写真右)
静岡県出身。静岡県立静岡中央高等学校からエコール 辻󠄀󠄀 大阪の辻󠄀󠄀カフェ&スイーツマスターカレッジ(当時)に進学。辻󠄀󠄀調グループ フランス校を2016年に卒業後、東京・東銀座の『ビストロ シンバ』に就職。約6年間、サービスの経験を積み、2022年9月オープンの2号店、ワインバー『パ・ロワン』の店長となる。

料理担当 内田 開さん(写真左)
愛媛県出身。愛媛県立新居浜工業高等学校からエコール 辻󠄀󠄀 大阪の辻󠄀󠄀フランス・イタリアマスターカレッジに進学。辻󠄀󠄀調グループ フランス校を2018年に卒業後、大阪・淀屋橋のフランス料理店『プレスキル』に就職。2022年6月、東京・東銀座の『ビストロ シンバ』に転職し、9月オープンの2号店、ワインバー『パ・ロワン』の料理担当となる。
access_time 2023.08.18

レストランよりも身近で、生活の一部に馴染むようなお店をめざしたワインバー。

温度感や香りを大切にしたビストロ料理を提供する、東京・東銀座の『ビストロシンバ』。その2号店として2022年9月にオープンしたのが、立ち飲みスタイルのワインバー『パ・ロワン』だ。連日満席の本店から歩いて5分ほどの場所に立地。予約なしでふらっと立ち寄れるにもかかわらず、ミシュランガイドも認めたシンバの料理を深夜まで楽しめるとあって、オープン当初から絶大な人気を博している。店長を任されたのは、シンバのサービスをおよそ6年間務めた高山南美さん。
「銀座一丁目に「ビストロシンバ」を2015年オープンさせた時点から菊地(佑自)シェフは、このお店の構想を抱いていたそうです。パリでの修行中、憧れたレストランとそこに併設されていたワインバーがとても魅力的だったようで、食前や食後、1杯だけ飲みたいときや気軽に食事をしたいときにも楽しめる2号店を出したいと。シェフと相談して決めた店名の『パ・ロワン』は、フランス語で『遠くない』という意味です。本店からの距離もそうですし、お客様とスタッフ、お客様同士の距離感も近い。レストランよりもさらに身近で、生活の一部に馴染むようなお店をめざしました」(高山さん)
『パ・ロワン』での調理は、二人の料理人が隔月で担当。その一人が、オープン3カ月前からスタッフとなった内田開さんだ。
「『パ・ロワン』の担当月は、お昼前に『ビストロシンバ』へ出勤して仕込みをし、夕方こちらへ来て18時にオープンさせています。次の1カ月間は本店で菊地シェフの横について学べますし、『パ・ロワン』では新たなメニューを考えることもあり、インプットとアウトプットの両方ができて、とても面白いですね」(内田さん)

料理人に憧れ進学するも、飲食の魅力を伝えられるサービス人をめざすことに。

高山さんが生まれたのは静岡県。料理好きな両親が毎週末、自宅に大勢の人を招いて料理を振る舞うという環境で育った。漁師の父は、1年のうち本業の桜エビ漁がない半年間、趣味が高じて小さなエスニック料理のお店を営むようになる。
「両親ともに海外旅行が好きだったので、アジア各国を旅したなかで覚えた料理をつくっていたんですよね。その影響で食べることが大好きでしたし、幼い頃から人が集う場っていいなと思っていました」(高山さん) 
高校時代はパティスリーや中華料理店、デパートの惣菜売場などでアルバイトして、おいしいものを提供できる飲食業の魅力を実感。両親からの話で海外にも興味があったため、進学先も調理師学校か国際系の大学かで迷っていた。
「高校を卒業したら好きに生きていい、その代わり手助けはしないと育てられたので、自分が本当に好きなことは何か確信を得るため、バイトで貯めたお金を使い、夜間の調理師学校に通ったり、短期留学や海外旅行をしたりしていました。やがて手に職があれば海外どこでも働けるんじゃないかと飲食の道を選択。あらゆる学校のオープンキャンパスに参加したんですが、学生さんの表情が一番キラキラしていると感じ、辻󠄀󠄀調(グループ)に決めました」(高山さん) 
調理も製菓も学びたかったため、当時、辻󠄀󠄀調グループのエコール 辻󠄀󠄀 大阪に設けられていた辻󠄀󠄀カフェ&スイーツマスターカレッジに進学。大阪・北浜のビストロ『ラ・トォルトゥーガ』でのアルバイトも始めた。
「古典的な料理をしっかり教えてくれる授業は、その後の実践にもつながる深い内容だったなと感じています。バリスタやバーテンダーの方から学ぶドリンクの授業にも興味がわき、カクテルのコンクールを東京まで見に行ったことも。一口に飲食と言っても、いろんな働き方があるのを感じながら過ごしました。
サービスの重要性を肌で感じたのが、『ラ・トォルトゥーガ』での経験です。いくら100点の料理でも、伝える人によってマイナス50点にも120点にもなる。それと同時に、ワインがどれくらい寄り添えるかでも、最終的な満足度は全然変わってしまう。楽しさとシビアさを感じ、サービスという職業を意識し始めた時期で、シェフにもいろいろ教えていただいて…。食事に対してワインがあるのはとても素敵な文化だなと思い始めました」(高山さん) 
フランス校時代
1年間の課程を終えてからも、さらに学びたいと同カレッジのTA(ティーチングアシスタント)を担当。その後は辻󠄀󠄀調グループのフランス校へと留学する。現地でのレストラン形式でのシミュレーション実習は厳しくも面白く、食べ歩きをするために貯めたアルバイト代で、毎週末、レストランへ行くことも大きな楽しみとなった。
フランス校時代
「サービスとして働くにしても、料理のことがわかっていないのは嫌で…。歴史や背景など、セリフを読むのではなく自分で理解して伝えられるようになりたいなと。現地のレストランではフランスならではの優雅さを感じましたし、一般家庭に招待していただける交流企画にも参加し、フランスの家庭料理の素晴らしさも体感しました」(高山さん) 
フランス校時代
「長く時間をかけて豊かな時間を過ごす、フランスの食文化が本当に素敵だなと感動。フランスの食事には常にワインがあり、お酒が入ることで会話も弾み、気持ちがほがらかになる。お酒が飲めない子どもたちも、人生を謳歌している大人の姿を見ながら育って、食を豊かに楽しめるようになる。そんな機会を提供できる、飲食業の素晴らしさを確信できました」(高山さん) 
フランスでの実地研修先『シャトー・デュ・モン・ジョリ』のシェフの講習会にアシスタントで参加
約5カ月間の現場研修では、ミシュランガイドの星つきレストラン『シャトー・デュ・モン・ジョリ』へ。ワインへの関心がさらに高まり、各地のワイナリーも訪問した。
「研修中は、あらゆるポジションを経験させていただき、休日もシェフに市場や講習、イベントに連れて行ってもらえ、学べることばかりでした」
南仏のワイナリーを訪問
「ワイナリーでは、ぶどう収穫のお手伝いや仕込みの見学なども体験。生産者を訪ねるなかで、ぶどう本来のピュアな味わいを表現する、ナチュラル(自然派)ワインにもどんどん惹かれていきました。関わる人たちの生き方や考え方、めざす方向性が自分に合っていると感じ、帰国したらおいしいワインや料理の魅力を伝えるサービス人になろうと決意。調理も大好きなんですけど、その時間ごと楽しんでもらえるポジションが自分には向いているだろうと思ったんです」(高山さん) 
南仏のワイナリー 収穫後のランチ

留学までさせてくれた母親にできる恩返しは、料理人として成長すること。

一方、内田さんの出身は愛媛県。祖父が営んでいた讃岐うどん店を幼い頃から手伝い、「将来は料理人になる」と宣言していたという。
「覚えていないんですけどね、宣言していたらしいです(苦笑)。小学生のとき母子家庭になり、頻繁に料理をするようになりました。母の誕生日や母の日には凝ったものをつくり、喜ばれるのがすごくうれしくて…。『おいしいね』と食べてくれた母の笑顔が、いまだに忘れられない僕の原点です」(内田さん)
高校時代には料理人になろうと決意。学ぶにあたり、母親に勧められたのが辻󠄀󠄀調グループだった。
「有名だから行ってみなよと言われ、オープンキャンパスに参加したところ、きれいなうえにおいしい、食べたことのないフランス料理に感動して…。エコール 辻󠄀󠄀 大阪のフランス・イタリアマスターカレッジを選びました」(内田さん) 
「いざ進学すると、知らないものに触れる毎日が楽しい。お金もなかったので、食材を買って切る前に、まな板に記したメモリに合わせて手が動くようにと猛特訓したり。調理科出身のクラスメイトに負けたくなかったんですよね。おかげで野菜の角切りのサラダをつくる実技も、一番早く正確にできました」(内田さん) 
1年間の課程を終えたあとは、辻󠄀󠄀調グループのフランス校へ留学。
「せっかくなら本場を見るようにと母が言ってくれたんです。専業主婦から急に働くことになり、とても苦労をしながら3人の子どもを育ててくれた姿を見てきたので、恩返しをするのは随分先になるのかもしれないですが、現状できるのは料理人として成長することだと、腹をくくった瞬間でした」(内田さん) 
フランス校時代 コアール先生と
フランス校での経験はすべてが楽しかったと振り返る。レストラン形式のシミュレーション実習では、自分の仕事を早く終わらせて他部門を手伝うなど、少しの時間も無駄にしないよう貪欲に学んだ。
フランス校時代 先生と
「外来講師の先生もたくさん来られたんですが、盛り付けから何から、料理にその人の特徴がフルに出ているのですごく面白かったです。アルバイトで貯めたお金で、食べ歩きには間違いなく同期で一番行きました。自分の発想では浮かばない組み合わせなど、フランス人ならではの感覚が本当に刺激的。各地を回ったんですが、地方性を感じられるレストランは、風土や情景も込みで素晴らしかったです」(内田さん) 
フランス校時代
実地研修はスイスとの国境近くにあるレストラン『フロコン・ド・セル 』へ。
「すごく香草を使うレストランで香りも豊か。冬場はシェフが鹿などのジビエを獲って来てさばくところを間近に見る事ができたりと面白かったです。最初は皮むきなどの作業が多かったんですが、この経験なら日本でもできるからポジションを変えてくれと直訴し、前菜や魚料理なども経験。忙しい時季には一人で担当することも多く、大変ながらも鍛えられました」(内田さん) 
フランス時代 実地研修先で
「やはり基礎の部分を学生時代のうちに理論づけて教えてもらえたことが、すべての土台になっています。たとえば一人前と何十人前では、同じようにやっても同じ仕上がりになりませんが、学んだ理屈に基づいて考えると『こうした方がいい』ということがわかってくる。“考える力”を身につけられたことが大きな財産です」(内田さん) 
ビストロ シンバ

より日常に近く、カジュアルに楽しんでもらえるビストロ料理に魅力を感じた。

高山さんが約1年間のフランス滞在を経て、2016年秋に就職したのが、オープンして1年が過ぎた頃の『ビストロ シンバ』だった。
「ナチュラルワインのつながりを通じて知り合った、パリやリヨンのシェフたちが『東京にすごくいいお店がある』と勧めてくれたんです。最初は大きなグランメゾンに入ろうかとも思っていたんですが、食べに行ったら料理に惚れ込んでしまって…」(高山さん)
ビストロ シンバの菊地佑自シェフ(右上)・スタッフたちと
「クロスが敷かれた優雅な空間で食べるフランス料理も好きだったんですけど、大阪の『ラ・トォルトゥーガ』同様、カジュアルに楽しんでもらえるビストロというスタイルに惹かれていたんですよね。自分が感じた飲食の楽しさは、より日常に近いところにありましたし、何より心から自分が運びたいと思える料理だと強く感じ志望しました」(高山さん) 
サービスでの就職だったが、当時はまだスタッフ数も少なく、朝には料理の仕込みをし、まかないをつくり、デザートの準備や掃除もして、営業中はサービスを担うという、忙しい毎日を送った。ワインスクールにも1年間通ってソムリエの資格を取得。ナチュラルワインの知識も、日々飲み歩きながら深めていった。
「菊地(佑自)シェフは、フランス中の産地を訪ね、食材を活かすビストロスタイルにはナチュラルワインが合うことを確信して、開業された人。現地とのつながりが深く、コロナ禍の期間以外、お店にはフランスの生産者や料理人が頻繁に食べに来てくださり、勉強になっています。サービスの先輩がいなかったので、最初はどうしていいのかわからない苦しさもあったのですが、その分、いろんなお店へ食べに行って、素敵だなと思うサービスマンの人に話を聞いたり相談したりと、日々模索しながら過ごしました」(高山さん) 
「休日にはグランメゾンやナチュラルワインの有名なお店へ研修にも行っていました。菊地シェフは最初から、料理のアイデアや接客方法、ワインの選び方など、私の意見を積極的に取り入れてくれたので、お店をより良くすることを考えながら主体的に働けて、6年間があっという間でした」(高山さん) 
2号店『パ・ロワン』の構想はずっと聞いていたが、まさか自分がやるとは夢にも思っていなかったという高山さん。
「こんなに長く働くつもりはなかったんですが、オープンから今まで、満席じゃなかった日がないぐらい忙しいお店だったので、ワインを出す機会も出会えるお客様も多く、ずっと魅力的だったんですよね。次の修業先についてはシェフにも相談していたんですが、食べ歩きをするなかで、カウンターのお店って素敵だなと感じたんです。その日の顔色まで把握して接客できるスタイルに惹かれ、シェフに話したところ、なら自分でやったほうが力になるから2号店をやってみないかと提案されて…。内装や器具、食器類なども含め、一からお店をつくる経験は、大変ながらも楽しかったです」(高山さん) 

教育を大切にされていたシェフに、理屈ありきで教えてもらえて身になった。

2018年に帰国した内田さんは、大阪・淀屋橋のフランス料理店『プレスキル』に就職。およそ4年間の修業を重ねた。
「フランスの研修先で提供されていたモダンな料理が、クラシックな料理を応用していると教わり、帰国したらまず、クラシックな料理を学べるところで修業をしようと考えていたんです」(内田さん)  
「『プレスキル』は、とてもおいしかったことに加え、世界最高峰の料理コンクールでも活躍された佐々木(康二)シェフが外来講師としても来てくださっていたんですよ。教育を大切にされていて、細かい解説もわかりやすい。理屈ありきで教えてもらえて、ものすごく身になりました。2年目には、責任あるポジションを任せてもらえたことは大変でしたが、結果、成長にもつながりました」
モダンな料理、クラシックな料理を学び、次はもっと温度や香りが際立った料理を学びたい。そう考えていたところ、学生時代の同期が次の修業先へ移るからと紹介してくれたのが『ビストロ シンバ』だった。
ビストロシンバの菊地佑自シェフ(右手前)・スタッフと
「『プレスキル』は厨房とフロアが完全に分かれていたので、今度はお客様の顔が見えるところに行きたいとも思っていたんですよね。『ビストロ シンバ』に食べに行ってみたところ、隣のテーブルのブイヤベースの香りが届く距離感がすごく良かった。仕込みから何から、これまでの経験と全然違いましたし、素材の良さが際立つ料理が自分は好きなのだということも、あらためて感じました」(内田さん)
ビストロシンバのFacebookより(鹿児島県産でっかいスジアラ)

さまざまなジャンルの料理人が営業後に訪れてくれ、働きながら勉強になる。

『パ・ロワン』がいざオープンすると、「想像の3倍は忙しかった」と店長の高山さん。飲食店などとの多彩なコラボイベントも頻繁に開催し、約1年経った今も、毎日大勢の人でにぎわっている。
「『ビストロ シンバ』に勤めた6年間で可愛がっていただいた常連様が、オープン時から大勢来てくださって…。なかには編集者さんやライターさんも多く、雑誌などでもたくさんご紹介いただけたので、これといった宣伝もせずにここまで来られました。コロナ禍が落ち着いた最近では、海外ゲストもすごく増えて。ナチュラルワインは今、アジアでも大人気になってきてるので、毎月日本へ飲みに来る方もいらっしゃり、世界が広がります」(高山さん)
一方、同店の料理を切り盛りする内田さんは、「常連様が増え、『こういうメニューはウケる』『こう言ったら食べてもらえる』といったことも次第にわかってきた」と振り返る。
コラボイベント/和歌山ヴィラアイーダマダム、福岡コキンヌマダムと
「コースの中の1品とアテに食べる1品では塩加減も変わってきます。1品の量も少ないので、しっかり味を決めないと物足りなくなりますからね。深夜帯は営業後にいらっしゃる料理人の方も多く、違うジャンルの方と教え合うという交流もあります。間近ですべて見られる緊張感もありますが、すごい料理人の方から、お店を訪ねるだけでは伺えないような貴重なお話も聴けて、とても勉強になっています」(内田さん)  
田舎風お肉のパテ
それに対し高山さんも、「名だたるオーナシェフの方たちと話す機会も多く、スタッフの育て方なども伺えて参考になる」と笑みを浮かべる。
「ずっと会話ができるカウンターでの接客は、これまで以上に楽しいです。お客様からも天職だって言っていただくんですが、自分でもそう思います(笑)。おいしいお酒が飲めて大好きなおしゃべりができて、働いてるという感覚よりは、『本当にこれでお金もらっていいんですか?』ぐらいの気持ちです」(高山さん)
シンバ特性ブイヤベースのリゾット

一生懸命取り組んでいるうちに、苦しかったことが楽しいことに変わっていく。

菊地シェフに相談し、ゆくゆくはフランスで修業もしたいという内田さん。同じく海外で働く機会も模索中だという高山さん。「飲食業において、つながりはとても大切」だと口をそろえる。
山田農場さんのガロフレッシュときゅうり
「学生時代のときはピンとこなかったんですが、そのネットワークが就職や今後の人生においてどれほど大事なのかは、後々わかってきますよね」(内田さん)
「どこのお店に行っても大抵何人かは同窓生の方がいらっしゃるし、それが会話のきっかけにもなる。つながりがなければ次の就職先も決めにくいし、おいしいお店やいい料理人、いい食材やいい生産者にも出会いにくい。母校のおかげで得たご縁は数え切れないぐらいありますよ」(高山さん)
ゴーヤとトマトベーコンのキッシュ
この仕事は、好きでないと続けるのが難しい。「これをやりたい」「こうなりたい」がなければ、とくに最初は大変だろうと話す二人。一口に飲食業といっても働き方はさまざま。途中で目標が変わるのは普通のことなので、めざす人は「好きだ」という気持ちを常に持ち続けてほしいと語ってくれた。
とうもろこしベーコンのガレットとサワークリーム
「つらいときでもおいしいものを食べるとハッピーになれたり、食べたときに何かを思い出す料理があったりと、感動を提供できる仕事だと思うんです。修業も大変ですし、楽しいことばかりではない職業ではありますが、人の心にも近くなれる、こんな素晴らしい仕事はないなと感じています」(内田さん)
「私も飲食業が好きだという気持ちはあったものの、『これが私の生きる道』と確信するまでには時間がかかりました。繰り返しのローテーション作業は、こなすだけだとつらいもの。だけど全部を自分事として考えながら取り組めると、ワクワクできて楽しくなるはずです」(高山さん)
「毎日の仕事に一生懸命取り組んでいるうちに、苦しかったことが自分の力になり、いつの間にかやりがいや楽しいことに変わっていく。仕事として『やらされていること』ではなく、この先の自分をつくっていく『やりたいこと』に変わる瞬間が増えていくので、毎日一生懸命取り組むことを続けていてほしいなと思います」(高山さん)

高山 南美さん/内田 開さんの卒業校

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